ABC分析

こんにちは。i-o-times編集部のAです。

先日の記事では、粗利益と在庫回転率についてご説明しました。短期的な利益改善方法として、在庫回転率をいかに上げるかがポイントとなります。

スマホケース販売店において「在庫回転率を上げる」ということは、「早く売れるスマホケースを在庫する」ということです。

では、早く売れるスマホケースと売れないスマホケースは、どうやって選別すればいいのでしょうか。今回は、実践的な商品選別手法として、ABC分析についてご説明したいと思います。

関連記事:売れないスマホケースはどうする?|元上場企業CFOが語る「もうかる店舗のつくり方」①

パレートの法則

本題のABC分析の前に、前提となる法則についてお話しします。

みなさんは、パレートの法則というのを聞いたことがありますか?

パレートの法則とは、一部のものが全体の内の大部分を占めていることを表す、経済における経験則です。

80:20の法則とも呼ばれ、全体の80%の数量が上位20%の要素で構成されていることを意味しています。

この法則をスマホケース販売店に当てはめると、「お店の売上全体の80%は、20%の品番で占められている」という意味になります。

もちろん、この比率が必ずあてはまるというわけではありません。しかし、私たちが思っている以上に、売上は一部の商品に頼っているということを認識しましょう。

ABC分析とは

パレートの法則を前提にした商品分析の考え方が、ABC分析です。ABC分析は、売上の貢献度に応じて商品をA・B・Cにランク付けし、ランクに応じた商品管理や販売方針を決める手法です。

Aランクに分類された商品は、お店全体への売上貢献が多いので、重点的に管理する必要があります。一方のCランクに分類された商品は、全体への売上貢献は小さく、管理コストの方が大きい可能性もあるため、最低限の管理とするか、もしくは販売を停止すべきということになります。

A・B・Cのランク付けの方法としては、売上高累積80%までの品番をA、80%~90%までの品番をB、90%以降をCとするのが一般的です。

ABC分析を適用して在庫回転率を改善する

先日の記事に書いた3つの在庫回転率改善法をABC分析に適用させてみましょう。

1.売れ筋スマホケースの在庫を増やす

売れ筋スマホケースとはAランクに分類される商品です。Aランク商品が欠品をしてしまっては、お店全体の売上に大きく影響してしまいます。

安定して供給される商品であれば、在庫水準は少なくても良いですが、納期が不安定なAランク商品であれば、思い切ってたくさん在庫を積んでしまうのも手です。いかにAランク商品の在庫欠品を防止するか検討しましょう。

2.売れないスマホケースは見切り販売する

売れないスマホケースとはCランクに分類される商品です。Cランク商品を店頭に並べていては、Aランク・Bランク商品販売の機会損失になりますので、大幅な値引き販売などで見切りをつけてしまいましょう。

3.人気の出そうなスマホケースを仕入れる

人気の出そうなスマホケースとはAランクまたはBランクになりそうな新商品のことです。Cを売り場からなくしたら、新しい商品を仕入れて店頭に並べてみましょう。

たとえ新しい商品がAレベルでなくても、Bレベルの売上をあげてくれれば、在庫回転数は改善するはずです。

ABC分析で在庫回転率は上がる?

では、前項の2・3の方法について、Cランク商品に見切りを付け商品を入れ替えた場合、本当に在庫回転数は上がるのでしょうか。数値で示してみましょう。

ここでは、単純化のために、お店の商品は全体で100品番、売上は100万円とします。そして、在庫金額100万円(売価ベース)とし、在庫回転数1回、1品番あたりの在庫金額1万円とします。

お店の商品をABC分析すると以下のようになりました。

製品名 FREETEL RAIJIN Tassel Jacket(タッセルジャケット)
対象機種 FREETEL RAIJIN
カラー ブラック、グレー、ホワイト、ピンク
素材 合成皮革(本体、タッセル)、ポリカーボネート(フレーム)
価格 3,300円(税抜)

もしCの60品番のうち、半分の30品番を新商品に入れ替えたとします。入れ替えた商品30品番が平均Bと同じ売上水準、すなわち1品番あたり0.5万円の売上とします。

するとお店の売上構成は以下のように変化します。

製品名 FREETEL RAIJIN Tassel Jacket(タッセルジャケット)
対象機種 FREETEL RAIJIN
カラー ブラック、グレー、ホワイト、ピンク
素材 合成皮革(本体、タッセル)、ポリカーボネート(フレーム)
価格 3,300円(税抜)

100品番・在庫100万円は変わらず、売上が110万円に増えましたので、在庫回転数は1.1回になりました。

まとめ

以上の数値例からわかる大事な点は、売れない商品(Cランク商品)を切って、普通の商品(Bランク商品)に入れ替えるだけで売上が10%伸びることです。

売れ筋商品(Aランク商品)を見つけ出したり、同じ商品構成で売上を10%上げるのは大変ですが、普通程度に売れる商品を見つけることはできそうではないでしょうか?

特に仕入条件が委託であれば、売れ筋商品や普通の商品が見つかるまで、売れない商品を入れ替えられるので、積極的にやってみる価値があると思います。

もし委託の仕入条件で仕入れられる商品をお探しの方は、ぜひ下記からお問い合わせください。ご提供できる商品をご紹介いたします。

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