前回、CureApp社の禁煙アプリの保険適用について紹介しました。
今回は糖尿病患者さんが自分のグルコース値の計測や管理ができる「FreeStyle リブレLink」を紹介します。アボット社から提供されており、こちらも保険適用されています。
血糖値を測るアプリ「FreeStyle リブレLink」
糖尿病の治療には、血糖値の管理が重要です。
ただ、一般的には病院で測ったり、指先などを指す血糖自己測定(SMBG)で計測したりするのが一般的です。
そのため、血糖値を点でしか把握することができないという欠点がありました。また、外出中にSMBGで計測する際には、人の目を気にする患者さんも多かったといいます。
FreeStyle リブ Linkは、上腕に専用センサーを貼りつけて、それをスマートフォンでスキャンすることで、現在のグルコース値と、上昇・下降などの直近のトレンド、直近8時間の血糖の変動を読み取ることができます。
専用センサー以外に特別な機器がいらないため、非常に利便性が高くなっています。
センサーは上腕に直接貼り付けますが、スマートフォンのスキャンは服の上からでも可能です。
外出中でも、食事中でも、人の目を気にせずに血糖値を確認することができます。センサーは最大14日間使用可能です。
利便性以外にも、計測時以外の血糖値の変動がわかることで、今まで気づいていなかった血糖値のトレンドがわかる可能性があります。
また、読み取ったデータは最長で90日間、確認することができ、中期的に血糖値を管理できているかを見ることもできます。
クラウドベースの「リブレView」と連携させておけば、計測データは自動でアップロードされ、お医者さんと共有することもできます。
なお、保険適用については、1型・2型等の病型を問わず「入院中の患者以外であって、強化インスリン療法を行っているもの」または、「強化インスリンを行った後に混合型インスリン製剤を1日2回以上使用しているもの」を対象に血糖自己測定器加算「C150 7」が適用されています。
その他のインスリン療法の患者さんがFreeStyle リブレLinkを使用する際には、月当たりの血糖自己測定(SMBG)回数を基に、血糖自己測定器加算「c150 1-6」が適用されます。
血糖値を測るアプリ以外も!新たな治療分野「デジタルヘルス」
治療アプリは今回のFreeStyle リブレLinkや、前回紹介したCureAppのように保険適用されたものだけではありません。
塩野義製薬(ADHD:注意欠如・多動症)、大日本住友製薬(糖尿病)、アステラス製薬(糖尿病)、テルモ(糖尿病)、サスメド(不眠症)、田辺三菱製薬(うつ病)などでも治療アプリの開発が進んでいます。
このようなデジタルヘルスが医療の業界では新たな治療法として注目されています。
今後もこの分野には注視しておきたいです。
まとめ
・センサーを貼り付けてスマホでスキャンするだけの血糖値計測・管理アプリが提供開始。糖尿病患者さんは保険適用に
・お医者さんとのデータ共有、血糖値の連続計測など、IoT技術により血糖値計測の利便性が向上
・デジタルヘルスの今後の動きは注目