phote by flickr
スマホケースの素材として最も一般的なのが、ポリカーボネート、TPU、シリコン、アルミ、レザー(革)です。スマホケースは、素材によって使い勝手、質感、丈夫さ、価格帯などが違ってきます。
今回は、これらの代表的なスマホケース素材について、特徴とメリット・デメリットをまとめてみました。
プラスチック(ポリカーボネート)素材のスマホケース
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スマホケースの代表的な素材がプラスチックです。プラスチックと言ってもいろいろな種類がありますが、最も一般的な素材がポリカーボネート(PC)です。ショップで売られている製品の中でも、種類が最も豊富です。
ポリカーボネート製のメリット
ポリカーボネート製のスマホケースは、以下のような点で優れています。
- 高い耐衝撃性
- 軽くて薄い
- 加工しやすい
- 安価
- デザインが豊富
- 熱に強い
- 燃えにくい
ポリカーボネートは衝撃に強い素材です。ガラスのように透明でガラスより圧倒的に軽量ですが、250倍以上の耐衝撃性を持っています。さらに、プラスチックの中では熱にも強く、燃えにくい素材です。
このようにポリカーボネートは平均して高い性能を持つ素材ですが、その割には製造コストが安価です。そのためポリカーボネート製のスマホケースは、種類も豊富で比較的安価に購入することができます。
また、オリジナルの自作スマホケースを作成する場合も、ケースに印刷がしやすく安価なので、ポリカーボネート製ケースが広く使われています。
ポリカーボネート製のデメリット
一方で、ポリカーボネート製のスマホケースには、以下のような問題点もあります。
- 落としたりすると強い衝撃で割れる場合もある
- 耐候性が低い
- 薬品に弱い
スマホを地面に落としてケースを割ってしまったという経験がある人も少なくないと思います。ポリカーボネート素材はガラスより耐衝撃性が強いとはいえ、強い衝撃を与えると割れてしまう場合もあります。
また、ケースを強い力で引っ張ると、プラスチックが白化して不透明になってしまいます。
ポリカーボネート素材のスマホケースを長期間使ったことがある人は経験があると思いますが、気づいたらケースが黄色っぽく変色してしまっていた経験はないでしょうか? ポリカーボネートは紫外線や日光に長くさらされ続けると、劣化してしまう(耐候性が低い)というデメリットもあります。
同様に、ポリカーボネートは薬品耐性があまりよくない素材であり、アルカリ剤や有機溶剤、農薬等の薬品が掛かると劣化してしまいます。
シリコン素材のスマホケース
外部リンク (Amazon):Simplism iPhone 7/6s/6 [Cushion] 衝撃吸収シリコンケース カーキ TR-CSIP164-KK
ゴム系のシリコン素材を使用したスマホケースは、柔らかい手触りが特徴です。ラバーケースやゴム製ケースなどとも呼ばれます。
シリコン製のメリット
シリコン製のスマホケースは、以下のような点で優れています。
- 滑りにくいので掴みやすい
- 柔らかいので衝撃でほとんど破損しない
- キズがつきにくい
- 耐候性が高い
- 立体的な加工できる
シリコンはプラスチック系の素材とは異なり非常に柔らかいので、地面に落とした場合でもクッションになってほとんど壊れることがありません。そもそも滑りにくい質感なのでケースが掴みやすく「落っことすこと自体少ない」との声も。
柔らかいシリコン素材は同時に表面にキズがつきにくいというメリットも持っています。まさに『柔よく剛を制す』ですね。
また、シリコン素材は紫外線にも強いので、紫外線などで劣化しやすいPC製のスマホケースと比較して、日差しの強い屋外で使いつづけても長持ちします。
なお、オリジナルの自作スマホケースをシリコン素材で作成すると、立体的なデザインのケースを作ることができるという特徴があります。3Dプリンタが普及すれば、デザインの幅がさらに広がることが期待できますね。
シリコン製のデメリット
一方で、シリコン素材を使ったスマホケースには、以下のような問題点もあります。
- ポケットやカバンから取り出しにくい
- ケースが汚れやすい
- 重い
- 対応できるスマホケース自作業者が少ない
ポケットやカバンの中にスマホを入れていて電話がかかってきた時、急いでスマホを取り出す必要あります。そんな時、シリコン素材のケースはポケットやカバンなどから取り出しにくいというデメリットがあります。手で掴みやすいというメリットの裏返しですが、ポケットやカバンの内布とケースとの摩擦が大きいので、取り出しにくいのです。
同じく利用シーンでのデメリットとして、シリコン素材のケースは比較的重量があるので、毎日長時間使ったり持ち運びしたりするのは疲れるかもしれません。
これらは些細な問題に思えますが、毎日使っていると結構気になるという方も多いのでは?
また、シリコン素材のケースにはほこりや小さなゴミが付着するので、見た目もキレイに保つためにマメに掃除が必要になります。
なお、オリジナルの自作スマホケースをシリコン素材で作成しようとする場合は、そもそも対応しているサービスや業者が少なく、個人向けには対応していない場合がほとんどです。今後に期待したいところです。
TPU(熱可塑性ポリウレタン)素材のスマホケース
TPU(Thermoplastic Polyurethane:熱可塑性ポリウレタン)素材のスマホケースは、ポリカーボネートに代表されるプラスチックの強度と、シリコン素材の柔軟性というそれぞれの特徴をあわせもつケースです。
TPU製のメリット
TPU製のスマホケースは、以下のような点で優れています。
- 軽くて薄い
- 加工しやすい
- 衝撃で破損しにくい
- 傷がつきにくい
TPU製のスマホケースは、ポリカーボネートより柔軟性があり、シリコンよりも硬い素材で、プラスチックとシリコンそれぞれのメリットを併せ持ちます。そのため、ポリカーボネート製のスマホケースと同様に、軽くて薄く、着色や装飾も簡単です。
一定上の温度で柔らかくなり、冷えると固まるので加工のしやすいという特徴もあります。
また、シリコン製のスマホケースほどではありませんが、柔軟性にも優れているので壊れにくく、耐久性も申し分ありません。一方で、スマホを取り出す際にポケットやバッグの袖に引っかかるなんてこともありません。
一定上の温度で柔らかくなり、冷えると固まる特徴があり、加工もしやすい素材です。軽量で着色も容易で、リサイクルもしやすいといった特徴があります。
TPU製のデメリット
一方で、シリコン素材を使ったスマホケースには、以下のような問題点もあります。
- 低い耐熱性
- 薬品に弱い
- 対応できるスマホケース自作業者は少ない
TPUは熱に弱い素材ですので、ドライヤーやファンヒーターに近づけ過ぎて変形してしまったというような話も聞こえてきます。
また、除光液やシンナーなどに含まれるケトン類・アセトン類といった薬品に対して弱く、高濃度でこれらの薬品がかかると変色することがあります。
さらに、TPU製のスマホケースはデザインや種類が非常に少ないので、ポリカーボネート製やシリコン製のケースに比べてマイナー感は否めません。
なお、オリジナルの自作スマホケースをTPU素材で作成しようとする場合は、そもそも対応しているサービスや業者はほとんどありません。
アルミ素材のスマホケース
アルミ素材でできたスマホケースは、スマホ機器のサイドに装着するタイプの商品が多いですが、一部全面を覆うようなモデルも販売されています。
アルミ製のメリット
アルミ製のスマホケースは、以下のような点で優れています。
- 高級感
- 最高の耐衝撃性
- 最高の耐久性
主なスマホケース素材の中でアルミは最高の強度を持つため、衝撃に最も強い素材と言えます。シリコンやポリカーボネートと比べ経年劣化も少なく、耐久性も最高です。
また、高級感を醸し出すスタイリッシュなデザインの商品が多いです。
アルミ製のデメリット
一方で、アルミ素材を使ったスマホケースには、以下のような問題点もあります。
- 重い
- 高価
- 表面が傷つきやすい
- 装着が面倒
アルミ製スマホケースは、一般的に重量が重くなりがちです。特に全面を覆うようなモデルは特に重量が重くなります。
専用の金属加工機械で削ったり変形させたりして製造するため、どうしても製造コストが高くなってしまいます。そのため、全体的に価格は高めです。全面を覆うようなモデルは特に高価格帯の商品になっています。
全体としては頑丈ですが、表面が傷つきやすいのもデメリットです。傷がつきにくくするために、アルミ表面に皮膜つくるアルマイト処理という特殊な処理をおこなうことがありますが、アルマイト処理に掛かるコストも、アルミケースが割高になる原因の一つです。
さらに厄介なのが、ほとんどのアルミ製ケースをスマホに装着する際、工具を使ってネジ等で固定する必要があります。一度固定しても、長く使っているうちにネジが緩んでくることがあり、その都度ネジを締め直すのはかなり面倒です。
なお、高度な製造機器が必要になるため、オリジナルの自作スマホケースをアルミ素材で作成してくれるような業者はほとんどありません。
レザー(皮革)素材のスマホケース
レザーの柔らかさや弾力のある質感を活かしたスマホケースです。手帳型のケースなど、単にカバーとしてだけではなく、カードなどの入れ物として使えるような製品がほとんどです。
レザー製スマホケースのメリット
革製のスマホケースは、以下のような点で優れています。
- 高い耐衝撃性
- ディスプレイも保護
- ディスプレイを隠せる
- しっかりと掴めるので持ちやすい
- 高級感
- 入れ物として使える
革製のスマホケースは柔らかいので、落としてもスマホ本体への衝撃が小さくなります。
また、ディスプレイまでカバーする前面カバーがある商品がほとんどなので、ディスプレイまで保護できる特徴があります。
前面カバーのおかげで画面を隠すこともできるので、メール・チャットのメッセージ受信通知など、第三者に覗かれるのを防ぐことができます。
レザーはしっかりと掴みやすく手に馴染みやすい素材です。他の素材に比べて高級感がありますし、個人的な好き嫌いもありますが、レザーは長く使っているうちにより味が出てきます。いろいろなデザインの製品があるので、プレゼントにも向いています。
また、ほとんどの製品でカードや鏡などをケースに収納できるようになっているのもレザー製スマホケースの特徴です。
なお、オリジナルの自作スマホケースをレザー素材で作成する場合は、基本的に1個ずつオーダーメイドでつくってくれる業者がほとんどです。
レザー製のデメリット
一方で、革製のスマホケースには、以下のような問題点もあります。
- 値段が高い
- 種類が少ない
- レザーのメンテナンスが必要
- 電話がかかってきたとき前面カバーが邪魔
- 置型の充電器が使えない
- 自作はカラー印刷できない
まず、他素材のスマホケースと比べ、レザー製のケースは値段が少し高めで種類も少なく、場合によってはネット通信販売でないと買えないような場合も少なくありません。
また、天然レザー製のカバーであれば、一般的な革製品のようにメンテナンスが必要になってきます。
耐衝撃性などメリットも多い前面カバーですが、電話が掛かってきたときにカバーを開く手間がかかります。「カメラの穴がなかった」「前面カバーがかさ張ってポケットに入らない」などの声も聞かれます。
さらに、ケースに厚みがあると、置型の充電器では充電できないことが多いので、充電時に毎回ケースから出す必要があります。
なお、オリジナル自作スマホケースをレザー素材で作成する場合は、PC製ほど綺麗にカラー印刷するのが難しいというデメリットがあります。
まとめ
スマホケースには、おしゃれを楽しむほかに、大事なスマートフォンを保護するという大切な役目があります。
デザイン面も重要ですが、できればスマートフォンをキズや衝撃から守るといった機能面も考慮したい選びましょう。