こんにちは。i-o-times編集部のYです。
今回は、ぬいぐるみケースのZOOPYの生みの親:シマシマ株式会社 代表取締役大川内氏へのインタビュー第2弾をお伝えします。前回の記事では、ZOOPYの兄弟シリーズについて、それぞれのコンセプトについてお話しいただきました。
ZOOPYだけが有名になっていますが、どの商品にも思い入れがあり、生みの親としては愛情とこだわりが伝わりました。
さて、ぬいぐるみケースの開発者でもある大川内氏は、意外にも元ITエンジニア。どうやって、あのかわいいZOOPYが生まれたのでしょうか。
今回は、創業時の秘話から、ぬいぐるみケースのアイデア誕生までを秘話をお伝えします。
着メロ製作会社として2003年に創業
i-o-times編集部(以下バルーン): 大川内さんはITエンジニアだと伺いました。創業はいつですか?
シマシマ 大川内氏(以下、大川内氏): 創業は2003年です。もともとコンテンツプロバイダーの会社で働いていたのですが、ITの会社として起業しました。
スマホのアクセサリー事業に参入したのが2012年くらいですので、スマホアクセサリーメーカーしては後発です。
バルーン: そうなのですね。ちなみに、創業当時は”IT”ということですが、何をされていたのでしょうか?
大川内氏: 簡単に言えば、着メロの制作会社をやっていました。
バルーン: 着メロ!?懐かしいですね!私も頑張って自作していました(笑
大川内氏: そう言っていただけると嬉しいです(笑
当時は、着メロが出始めの頃で市場が大きく伸びていましたので、業績もすごく順調でした。
しかし、7年〜8年もやるとライバルも増えて、価格競争の市場になり同業者も少なくなってきます。
さらには、少数の供給会社がサーバーに着メロを置いて、APIで引っ張るだけという状態になり、他との差別化もできず先が見えている状態でした。
そんな状況の中、iPhoneが急速に普及していることは知っていましたので、iPhone絡みの事業をいくつか始めました。
女性向けのスマホケースをターゲットに
バルーン: 最初からスマホケースが柱となったわけではないのですね。
大川内氏: そうですね。アプリの開発もちょっとやりましたが、思うように収益化することができませんでした。
着メロ製作の延長でアプリ開発をやってみた結果うまくいかなかったので、思い切ってやり方を変えようと。そして、前から興味があったモノづくりをすることにしました。
いくつかプロダクトを作ってみて、一番感触が良かったのがスマホケースです。
バルーン: 最初からターゲットを女性としたスマホケースを目指したのでしょうか?
大川内氏: 最初のリサーチは、電気量販店でどういったものが売られているかの調査だったのですが、意外にも女性向けのスマホケースが多いことを知り、女性向けの市場もあることを知りました。
しかし、店頭に並んでるのはデコレーションケースみたいな、偏ったデザインしかなかったのです。
そこで、「かわいらしさ」や「肌触り」といった女性に好まれそうなスマホケースであれば、売れるのではないかと思い、製品化にとりかかることになります。
必見?!これぞZOOPYのご先祖様!
バルーン: "ぬいぐるみ"はアイデアの一つだったんですか?
大川内氏: いえ、色々と試行錯誤がありました。動物がモチーフというのはあったのですが・・・
そういえば、最初の原案があるのでお見せしますね!
バルーン: とても貴重ですね!・・・ただ"かわいい"というより、妙にリアルなような気がします(笑)
大川内氏: 最初は、シリコンでつくる予定でした。当時、リアルな置物が流行っていたということもあり、リアルな動物のフィギアをスマホケースにしようと。
バルーン: どこで"ぬいぐるみ"のアイデアが生まれたのでしょうか?
大川内氏: モノづくりは全くの素人でしたので、この紙粘土でつくったモックをもって、いろんな町工場を回りました。「こんな形のモノを作りたいんです!」という感じで。
モノづくり目線からZOOPY誕生へのヒント
大川内氏: 門前払いを受けることも多かったのですが、ある工場の方に興味に持っていただきます。そこで、モノづくりの観点から、いろいろとアドバイスをいただきます。そして、結論としては、希望のものはつくれないということが判明します。
素材がシリコンだと、技術的にスマホケースをつくることが難しく、プラスチックを素材とするとプラモデルみたいになるよ、というのです。
バルーン: そうすると、当初のコンセプトとはズレてきますね。
大川内氏: そのとき、その工場の方から「ぬいぐるみだったら作りやすいし、おもしろいんじゃない?」とアドバイスをいただきます。
引き続きリサーチは続けてましたので、「ぬいぐるみケースならいける!」と思いました。
ここから「ぬいぐるみケース」の製品化に向けての試行錯誤が始まりました。